CEO’s

人と人との出会いによる化学反応を生み出し、社会に新たな価値を提供する

SAMURAI CEO2026

株式会社あどばる
取締役

中村 一隆

早稲田大学を卒業後、パーク24株式会社に新卒入社。駐車場開発営業として8年間勤務し、時間貸しビジネスの本質を学ぶ。2012年、現在の代表の誘いで株式会社あどばるに入社。2014年、新規事業としてスペースシェアリング事業の1号店の立ち上げを担当。無人化による運営コスト削減と時間貸しを組み合わせたビジネスモデルで、同事業を主力事業へと成長させる。2023年、取締役に就任。人と人のつながりを生み出す事業の拡大に尽力している。

駐車場開発の経験から生まれた、無人化×時間貸しという新しい空間ビジネス

私は早稲田大学を卒業後、パーク24株式会社に新卒入社し、駐車場開発の営業を担当していました。8年間にわたって現場で経験を積む中で、コインパーキングのビジネスモデルに大きな可能性を感じるようになっていきました。月極駐車場なら月2万円の収益にとどまる土地が、コインパーキングにすることで10万円の売上を生み出すこともある。機械化によって人件費を抑えながら高い収益性を実現するこの「時間貸し」という仕組みは、他の分野にも応用できるのではないかと考えるようになったのです。

そうしたビジョンを形にできる場を求めていたころ、現在の代表から声をかけていただき、2012年に株式会社あどばるへ入社しました。そして2014年、新規事業の担当者として最初のレンタルスペースをオープンさせる機会をいただきました。

そこで私が目指したのは、西麻布にある高級カラオケのような上質な空間を、無人化によって運営コストを削減しながら時間貸しで提供するというビジネスモデルです。実際に運営を始めると想定以上に好調で、この成功が弊社のスペースシェアリング事業の礎となりました。

私が入社したタイミングでは飲食店の支援事業を中心に展開していましたが、紆余曲折を経て、現在では売上のほとんどをこの事業が占めるまでに成長しています。ほかにはサービスオフィスの運営管理事業やケータリング事業なども手がけていますが、事業の中心はあくまで「人がつながる場所」の提供です。

価格と品質の両立で、企業の「つながり」を支える

単に空間を提供するのではなく、人と人とのつながりを生み出す場を提供する。この考え方は、コロナ禍を経てより強固なものになりました。人が集まれない時期を経験したからこそ、リアルで会うことの価値が一層明確になったのです。

オンラインには効率性という利点がありますが、実際に顔を合わせることで生まれる化学反応や、予期せぬ出会いから始まるイノベーションは、決してデジタルでは代替できません。弊社は、そうした価値ある瞬間が生まれる場を提供し続けたいと考えています。

そのために弊社が実現しているのが、価格と品質の両立です。駅前など立地が良い場所に、手ごろな価格帯で貸会議室やイベントスペースを提供することで、企業の皆様が気軽にイベントを開催できる環境を整えています。一方で、価格を抑えながらも内装の雰囲気や居心地の良さには徹底的にこだわっており、この点が他社との大きな差別化ポイントになっていると自負しています。

主なお客様は、社員総会や部署単位のイベント、その後の懇親会などを開催される法人企業が多いですね。特にベンチャー企業など、活気ある組織からコストパフォーマンスと空間の質の両面でご好評をいただいています。

コロナ禍という逆境で学んだ、ビジネスモデルより大切なもの

順調に見えた事業も、コロナ禍で大きな転換期を迎えました。人が集まることができなくなったことで、貸会議室もイベントスペースも、当時手がけていたホテル事業もケータリング事業も、すべてが厳しい状況に直面したのです。IPO(新規上場)を目指して積極的に物件を増やしていた矢先の出来事で、新たな道を模索する必要に迫られてしまいました。

そこで私は有志を募ってチームを結成し、新しいサービスの開発に取り組みました。それが、貸会議室を月額定額制で利用できる「オフィスチケット」です。売上としては小さなスタートでしたが、サブスクリプションという積み上げ型のビジネスモデルだったため、将来的に大きな収益が見込める事業計画を描くことができました。

この計画を既存株主の株式会社ビジョンに持ち込んだところ、連結子会社化という形で財務面での支援をいただけることになりましたが、ビジョン社はアウトバウンド・インバウンド向けのWi-Fi機器を主力とする会社でしたから、同じく厳しい状況にありました。

そこで目の当たりにしたのが、商売人としての姿勢です。ビジョン社は会社を存続させるために、逆境の中でもPCRセンターや空港の検疫ビジネスなど、時代が求める事業に素早く転換していたのです。そこから私は「どんな状況でも会社を前に進めるために何ができるか」を考え抜くことの大切さを学びました。また、ビジネスの成否を分けるのは、ビジネスモデルではなく、誰がどんな思いで取り組むかなのだと、身をもって実感しました。

人のつながりが新しいビジネスを生む。そんな循環を生み出す会社へ

今後、まず取り組みたいのは、物件数の大幅な拡大です。現在の市場を見ると、質の高い貸会議室やイベントスペースへのニーズは依然として高く、弊社がもっと応えていける余地があります。それと並行して、弊社の認知度を高めるための施策も展開し、より多くのお客様に選んでいただける会社を目指していきたいですね。

そしてその先では、事業領域そのものを広げていくつもりです。弊社が提供したいのは、単なる「空間」ではなく「つながり」そのものですから、それに関連する事業であれば積極的に挑戦していきたいと思っています。

その一例として、現在力を入れているのが交流イベントの主催です。以前開催した不動産業界向けの交流会では、200名の方にお集まりいただき、多くの出会いが生まれました。今後はこれを日本最大級の不動産交流プラットフォームへと成長させ、アプリなどのデジタルツールも活用しながら、より多くの方々をおつなぎしたいと考えています。

人のつながりから新しいビジネスやイノベーションが生まれ、それが社会をより良い方向へ動かしていく。そんな循環を生み出すことが、弊社の目指す未来です。

若いうちに全力で挑戦することが、人生を豊かにする

若い時期にこそ、目の前のことに全力で取り組む価値があると考えています。私自身、新卒で入社したパーク24では、誰よりも長く働いていた自信があります。大きなフロアの電気を最後に消して帰ることが多かったのですが、それだけ仕事に時間を使った結果、成績も伸び、自己肯定感や待遇、人脈、経験など、多くのものを得ることができました。

こうした経験を通じて実感するのは、若いうちに本気で取り組んだ時間は、確実に自分の人生を豊かにしてくれるということです。20代で全力で頑張った経験は、30代以降のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなりますから、騙されたと思って目の前のことに全力で取り組んでみてください。それは間違いなく大きな財産として、自分に返ってきます。

だからこそ、弊社ではスキルや経験よりも情熱を重視しています。情熱をもって、自らモチベーションをつくり出せる人であれば、経験や実績は後からついてくるでしょう。みんなで一生懸命に目標を追いかけ、一喜一憂しながら成長していく。そんな青春のような環境で、一緒に人々のつながりを育み、社会に新しい価値を生み出していく仲間を待っています。