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【日本をリードする経営者・早川周作の挑戦】スポーツ業界の”てぃーだ”となることを目指して

SAMURAI CEO2025

琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社
代表取締役会長

早川 周作

秋田県秋田市出身。家業の倒産と父親の失踪により、無理心中寸前まで追い込まれるも、大学進学を目指して上京。新聞配達や皿洗いなどのアルバイトで学費を賄い、明治大学法学部に進学。大学在学中から学生起業家として複数の企業経営に関わり、元首相秘書を経て28歳で国政選挙に出馬。現在は「日本のベンチャーを育てる」を掲げ、全国で経営者交流会を主催。2018年には琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社を設立し、プロ卓球チームを運営。2021年にはプロスポーツチームとして日本初の上場を実現。教育・スポーツ・地域活性など多方面で活躍中。

弱い地域、弱い者に光を当てる社会の仕組みを創る

琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社は、プロ卓球リーグ「Tリーグ」に所属する琉球アスティーダの運営をはじめ、スポーツバルや卓球スクール、卓球関連の物販ECサイトや経営者向けのコミュニティサロンなど、さまざまな事業を展開しています。

「沖縄×スポーツ×○○」というテーマのもと、企業のマーケティング支援も行いながら、地域に根差した総合型スポーツクラブとして活動しています。

弊社名やクラブ名でもある「琉球アスティーダ」は、「沖縄から明日の太陽(てぃーだ)になる」という意味を込めて名付けたものです。

てぃーだとは沖縄の方言で“太陽”を意味します。私たち自身が輝きを放つ存在となり、その姿を見た人々が「自分にもできるかもしれない」「挑戦してみよう」と思える、そんな世界観をつくっていきたいと考えています。

そんな私たちの原点にあるのは、「弱い地域、弱い者に光を当てる社会の仕組みを創る」という明確な志です。

創業時、拠点としたのは人口2万人ほどの沖縄・中城村。家賃4万8000円の小さな場所からスタートし、「卓球で世界を獲りにいく」「どんなに大きな相手にも立ち向かい、勝ち切る」「誰だって夢は叶うということを証明する」というビジョンを掲げて歩みを進めてきました。

琉球アスティーダは現在、日本トップクラスの卓球チームです。業界では「日本の主砲」とも称され、「チョレイ」で知られる張本智和選手が所属し、福原愛さんが執行役員を務めています。

スポーツ業界を変える挑戦と使命

私たちがスポーツビジネスに取り組む背景には、「スポーツには不変の価値がある」という考えがあります。

スポーツや芸術といった、人の心を動かし感動を与えるものは、テクノロジーがどれだけ進化しても、その価値は変わることがありません。

しかし、日本のスポーツ産業は、アメリカの約50兆円に対し、いまだに5兆円ほどの規模にとどまっています。つまり、価値あるものに対して適切な価値評価がされていないのです。

実際に、スポーツ業界ではガバナンスが機能しておらず、ディスクロージャーも不十分。さらに、琉球アスティーダが上場するまでは、長年にわたって上場企業が1社も存在していない状態でした。

また、収益モデルも限定的で、チケット販売やファンクラブ、スポンサー収入に依存しているのが現状です。

本来であれば、「スポーツ×ビジネス」という観点から、テクノロジーとの連携や異業種とのコラボレーションなど、もっと多様な展開ができるはずです。しかし、そうした展開がまだ不十分なのです。

現在のスポーツ業界には、適切な情報開示がなされないこと、資金調達の手段が限られていること、優れた経営人材が集まりにくいこと、イノベーションとの接続が進まないことなど、数々の課題が存在しています。

私たちはこれらの課題を打破し、スポーツ業界の新しい循環モデルを構築する先導役となるべく、2021年には、琉球アスティーダをプロスポーツクラブとして日本で初めて上場させることに成功しました。

上場は単なる資金調達手段ではなく、人・モノ・資金の新たな循環を生むための手段であり、業界全体の成長につながる仕組みです。

今後も、琉球アスティーダという一企業や卓球という競技だけにとどまらず、日本のスポーツ業界全体の底上げを目指していきたいと思います。

ゼロからの出発、志ひとつで歩んできた道

私が卓球に出会ったのは、必然ではありませんでした。私自身、もともとスポーツにも卓球にも深い関心があったわけではありませんでしたし、今でも卓球との出会いは偶然だったと思います。

私と卓球との出会いは、Tリーグ創設時に「卓球は5歳で始めて、15歳で世界を狙えるスポーツだ」「お金がなくても平等にチャンスを与えられる競技だ」と聞いたことです。

私自身、19歳のときに父が会社を倒産させて蒸発し、無理心中寸前まで追い込まれた経験があり、そのときから「弱い地域、弱い者に光を当てる社会の仕組みを創る」という志を持っていました。

だからこそ、卓球の「お金がなくても平等にチャンスがある」「若いころから始めて若いうちに結果が出せる」という点に大きく感動したのを覚えています。

若いころの私は、家や財産をすべて失い、親戚も行政も頼れない中でも、「誰にも助けてもらえないなら、自分で道を切り拓くしかない」と腹をくくり、新聞配達や皿洗いで学費を稼ぎながら大学に進学し、起業や元首相の秘書を経験して衆議院選挙にも出馬しました。

常に、志に合致する道を選び続けてきたわけです。

そして、琉球アスティーダでの挑戦もまた、その志に通じるものです。「上場を果たす」「スポーツの価値を高める」「社会に必要な仕組みをつくる」といった取り組みを通じて、自分の人生を賭けてきた信念を落とし込んでいます。

そんな私のキャリアは、何もないところから始まりました。しかし、そこにこそ私の強みがあると思っています。親の支援も、資産も、コネもなく、すべてをゼロからつくってきた経験があるからこそ、今の私があるというわけです。

私は、私が経験したことと同じように、多くの人が抱えるコンプレックスやネガティブな経験こそが、実は人の心を動かす力になると私は信じています。

そして、その考えに共感してくれる人がいるからこそ、私の話を聞きたいと講演の依頼があり、全国から多くの方が集まってくださるのだと思います。

逆境に引っ張られるのではなく、それを武器に変えて生きていく。この切り替えが、人生を左右する大きな分かれ道だと思いますね。

一歩を踏み出す力は、志から生まれる

私はこれまで、何百社、何千社というスタートアップのプレゼンを見てきました。

その中で成功し続ける企業には、共通する3つの要素があります。それは、「志」「夢」「継続」です。

社会的な意義を持ち、ビジョンを描き、決して逃げずにやり続けること。これが、すべての事業成功に欠かせない基盤だと思っています。

私自身、明治大学MBAビジネススクールで講師を務め、国立大学法人琉球大学の客員教授として教育現場にも関わるなかで、「自分にはできない」と最初からあきらめてしまう学生や起業家の卵たちにも多く出会ってきました。

しかし、最初の一歩を踏み出すことこそが重要です。そして、その一歩を支えるのが、志の力なのです。

だからこそ、これから起業や何か新しいことに挑戦したりする若者には、ぜひ志を持って取り組んでもらいたいですね。

私自身も、「弱い地域、弱い者に光を当てる」という志を胸に、これからも自分の役割を精一杯果たし、最期に「自分の人生、よくやったな」と思えるよう挑戦を続けていきたいと思います。

 

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